私は30年に渡り、エディターとして仕事をさせてもらいました。
現在は後進に業務を任せていますが、エディター時代に得た経験値は 映像演出を中心に活動する現在にも大きく役立っています。
エディターの仕事は映像を繋ぐことだけにとどまらず 色を調整すること、合成をすること、テロップをデザインすることなど多岐に渡ります。
特に複雑な合成カットが多く含まれるCM編集作業などの場合、エディターにとって重要なのは「作業順」です。
まずこれを決めて取り組んでいかないといけない。
私は「作業順」を考える際、必ず「どのカットが一番手間がかからないか」を探して順位付けしていました。
完成させるのに難易度の低いカットから作業を進める。ということです。
難易度の高い作業は当然時間がかかります。
長時間作業をしている時、「まだ1カットもできていない」と思うより 「もうこんなに進んでいる」と目で見えている状態の方が圧倒的に気持ちが楽なのです。
「もう完成しているカットがある」という成功体験で脳に勇気を与えると
難易度の高い作業を行う時の精神的な負荷がずいぶん違って、落ち着いて作業が進められます。
必要な仕事の総量は同じでも、「作業順」によってクオリティは間違いなく変わる。
何事もスモールステップで、できることから確実にこなしていく。
この積み重ね方もクオリティを高める方法の一つだと思っています。
山田 (・ω・)ノ