COLUMN

プロフェッショナルVTR


4月は入学式やモノの値上げや
いろんなことが新しくなる切り替えの時期ですね。
私たちの業界でも大きな切り替えがありました。
VTRの使用が終了し、完全にデータへ移行しました。

厳密には「放送局へVTRで納品することができなくなった」ので
仕上がった映像をVTRにコピーする行為が必要なくなったということです。
毎日電源が入っていたT601のVTRも
必要な時以外はOFFのままマシンラックに佇んでいます。

フィルムからビデオに移行した時も大きな変革でしたが
今回も非常に大きな変革として映像の歴史に刻まれます。
映像が商業として発展して以来、VTRが運用された期間は長く
映像が物理的な「モノ」として存在しない現在は
VTRを経験してきた私の世代には何とも言えない不安感があります。
とは言え、これも時代の変化なので柔軟に受け入れていかなければいけませんね。

VTRを所有しているということは
ある意味で映像プロダクションとしてのアイデンティティでもありました。
あらゆるデジタルデバイスとサービスの進化で
誰でも簡単に撮影して編集して世の中に公開できるようになりました。
プロとアマチュアの物理境界であったプロフェッショナルVTRが事実上消滅したことで
プロとアマチュアはほぼ同じ土俵で生きていく世界になりました。
プロとアマチュアのこれからの境界はどこにあるのか?
それはやはり、情報/品質/進行の管理クオリティにあるのではないかと思います。
本当のプロとアマチュアがはっきりと別れる時代が来たのかもしれません。
私たちはプロの映像プロダクションとして
クオリティを最大のアイデンティティであると再認識しています。

T601のVTRはまだまだ元気に稼働しています。
過去に制作した映像原版のデータ化サービスも行なっておりますので
お気軽にお問合せください!

山田 (・ω・)ノ

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