COLUMN

映像世界と音世界のタイムラグ


自分はずっと昔から感じているし、自分以外の人もきっと感じていることだろうけど
映像文化よりも音声文化の方が新しいテクノロジーの発出や文化の醸成やビジネスモデルの確立が少し先行する。

音のメディアがカセットからCDに移行した頃、ビデオのメディアはカセット全盛期で
DVDになるのはずっと後。デジタル化は圧倒的に音の方が早かったのです。
私たちが携わるプロの業界でもテープレスによるデジタル化は音の業界の方が圧倒的に早く
後を追うように映像もテープレス化していきます。
立体音響が確立されるまでは非常に早かったのですが、3DやVRのような立体映像体験がビジネスモデルとして確立されるまでずいぶん時間がかかりました。
内容にもよりますが、およそ2~3年くらいのタイムラグが映像と音の世界には常にあったと思います。
その最も大きな要因は、データ量の大きさの違いです。

映像に比べて音声は圧倒的にデータ量が軽い。だから新しいやり方へのフットワークも軽い。
データ量が重い映像は、まるで「兎と亀」のように
音声が切り開く新しいやり方を眺めながら、確実な進化の道筋を後から追ってきました。

ついこの間まで「2~3年くらいのタイムラグ」だと思っていた差は
物理的なメディアから解放されて圧縮技術という同じステージに立った時点で急速に狭まってきていると感じます。

サブスクリプション化によって音楽の価格は急激に下がりました。
CDという物理メディアで音楽が売買されていた時はシングル曲の単価は1,000円くらい。
オンラインでサブスクリプションによる流通となった現在、曲の単価はモノによっては1円の場合もあり得る。
音楽業界はとんでもない大変化が起きているけれど、やっぱり新しいアーティストや楽曲は次々とリリースされていて、ちゃんとその世界で食べていける人がいる。
映像も音楽同様、VOD各社が進化してサブスクリプションが当たり前の時代になりました。
ユーザーから見れば、SpotifyもNetflixも音楽か映像かの違いだけで、サービスを享受できるスピード感にほとんど差がないものになっています。

私たち映像業界に居る人間は、音楽業界から学ぶことが常に多くありました。
「2~3年後、この波が我々にもやって来るから備えよう」と思っていたタイムラグはほぼ無くなってきた。
音の世界を覗いて「これはすごいぞ!」と思ったことは、即実行する体質改善が必要だ。とVoicyを聴きながら思う日々です。

山田 (・ω・)ノ

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