COLUMN

直線と直角である理由


目の不自由な人のための「点字ブロック」。
街を歩けば普通にあるので特に気に留めることもなかったけれど
先日読んだニュース記事に小膝を叩いてしまうことが書いてありました。

おしゃれな新築ビルの地下道に点字ブロックが配置された。
流線的な通路に沿って弧を描くように美しく配置された点字ブロックだが
目の不自由な方から不評だ。といった内容でした。
なぜ不評なのか。それは点字ブロックが曲線を描いているから。
確かに、街にある点字ブロックを見てみると直線と直角の配置しか見当たらない。
目の不自由な方は点字ブロックの向きで頭の中に方角を描きながら歩いているんだそうです。
だから点字ブロックが曲がっていると自分の向いている方角がわからなくなってしまう。
デザインとしては美しくても、利用する当事者にとっては価値のないものになっていたのでした。

もし、自分がこの地下道のデザインを任されていたとしたら、きっと同じように流線に沿った配置をしていただろうと思います。
どんなクリエイティブも、それを享受する人の目線に立って考えなければ本当の価値を備えることにならない。
デザインが持つ意味について考えさせられる記事でした。

山田 (・ω・)ノ

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