COLUMN

メモの魔力


ある本に「読書は読んだだけでは意味がない。読んだ内容をどれだけ実践できたかが価値になる。」と書いてありました。
この言葉は小説には対応していなくて、ビジネス書とか自己啓発系の本とかについてのものだったと思います。

2019年にSHOWROOM代表・前田裕二氏の「メモの魔力」という本を読みました。
前田氏の自叙伝に加えて「手書きのメモがいかに自身の人生に役立ったか」をわかりやすく解説していて
メモをどう取れば良いか、メモをどう解釈して自身に役立つ情報源にしていくか
といったテクニックについても解説されていて、ベストセラーになり
現在も重版され続ける素晴らしい本です。
私が読んだ2019年の頃はここまでのベストセラーになるとは誰も思わなかった初期の頃でした。
せっかくこの本を読んだので、手書きのメモを取るように実践してみようと思いました。
メモの取り方をこの本の通りに真似をしてあらゆるメモを取り続けてみました。
「メモの魔力」ではメモを取ることによる思考の整理法が細かく書かれていたのですが
真似てメモを取り続けた結果、私が辿り着いたのは「メモが面白い」ということでした。
思考ではなく嗜好になった感じです。(←うまいこと書いた。と思ってニヤッとしてます)

PCばかり触っていて、メモも全てテキスト打ちが日常化していて
手書きからずいぶん遠ざかっていました。
メモを書き始めた時、まず初めにやってきた壁は「漢字が思い出せない」こと。
PCは勝手に変換してくれるので漢字を思い出す必要がない。
だからいつの間にか脳が漢字を思い出すことを止めてしまっているようでした。
でも少しずつ、書けば書くほど思い出していく。
メモを書いていて面白いのは、忘れかけた漢字を思い出して
文字が自分のものになっていく感覚を味わえることなんです。そこにハマってしまった。

そして、会議の時や気がついた時にメモを書くだけでは飽き足らず
毎日書くことを始めました。
日記は流石に大変なので、「その日何をしたか」を1日1ページ書くようにしています。
何時ごろどんな仕事したのか
何時ごろ誰にあったのか
何時ごろ何食べたのか
この日どんな出会いがあったのか
この日どんな気持ちだったのか
といったことを都度メモするだけなのでカロリーが低く
2019年から始めた毎日の行動メモは現在も欠かさず続いています。
「飽きたらやめよう」くらいの軽い気持ちで始めましたが
今も飽きずに続いていて、書き溜めたメモの束は自分自身の大きなデータベースになっています。

本に書かれているテクニックや目的や思考法とは違うメモの取り方になったけれど
この本に出会ったおかげで字を手書きする面白さを再認識できました。
内容を実践できる読書って、本当に思考や生き方を変えてくれて面白いですね。

山田(・ω・)ノ

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