撮影スタジオの維持費の大半は電力料金で
たくさんの照明を使うスタジオでは電力会社との契約は通常の契約とは違う特殊な契約をしていると昔聞いたことがあります.
どのくらい昔かというと,LED照明が撮影でも使われるようになるよりも前です.
現在の撮影現場ではほとんどの照明機材がLED化し
消費電力は極端に小さくなりました.
小型バッテリーで稼働できるためケーブルの煩わしさもなく機動力がずいぶん上がりました.
そしてあまり発熱しないため現場が暑くならない.
これもLED化の恩恵の一つですね.
最近はタングステンやメタルハライドのライトはあまり見かけず
LED照明での撮影が普通になっていましたが
先日の撮影は久しぶりにHMI照明を使った現場でした.
圧倒的に光量が大きく,太陽の光を表現できるHMI照明.
その分電力消費も大きく,とにかく現場は暑い.
しかし,そのアナログな光に包まれて撮影された映像がとにかく美しいのです.
映像の美しさはもちろんカメラマン,照明技師の腕によるところが大きいですが
いつも現場で見ている光よりも,アナログの光はずいぶん違って感じました.
LEDはデジタルというか,硬い光の印象があるんです.
「光なんて、結局フィルターかけていったら同じ感じじゃないの?」
と思っていたんですが,久しぶりにHMI照明の光を見て
その柔らかさにハッとしたんです.
アナログ照明やLED照明は
コストもさることながら作品内容によってうまく使い分けるべきものなんだと
暑い現場であらためて学びました.
山田(・ω・)ノ