ちょっとポートフォリオなどを整理してたら、去年の冬にやった仕事を発見して、何やら色々と思い出したのでネタに
フォルクスワーゲンのWEBコンテンツで、フォルクスワーゲンがタイアップ(サポート)しているプロスノーボーダーとプロスキーヤーを撮影した2本の動画です(下の方に映像のリンク貼ってます)
どちらも企画演出(映像ディレクター)として携わってます。
私、大学生の頃に、やりたいことが3つありました。1つ目は映像の仕事。2つ目は写真。そして3つ目がスノーボードを軸としたアウトドアに携わる仕事がしたいことでした。
思い起こせば、小学校4年生の頃に、遠足で雪山にソリ滑りに行ったのが雪山に魅了された最初だと思います。その時はもう楽しすぎて、その夜は意味なく寂しくなり、勝手に涙が出たという経験が。白い世界にあの時に魅了されたのだと思います。高校生の頃、少しずつスキーを開始して、大学生ですぐスノーボードをやるようになりました。当時、スパイク ジョーンズが撮ってたスケボービデオに衝撃を受けて影響されてる事もありました。スパイクジョーンズみたいに撮れるようになりたいなぁと考えたものです 笑。
その内、上手くなりたくて、住んでた場所の近所の有名なサーフ&スノーボードショップに出入りするように。スノーボードのオリンピック選手なども働いてたり、選手のスポンサーもしてるような本格的なショップで、色んな雪山に連れて行ってもらって長年指導してもらいました。お金はとりあえずなかったので、車中泊できるように改造した先輩や仲間の車で何泊も雪山で泊まる生活。そういう中で、自然の写真を撮ったり動画撮ったりしてたんです。雪の綺麗さとか、自然の怖さとか偉大さとか。この時経験したことはの今も自分のベースになっていると思います。
大学を卒業するとき進路に迷いました。板のデザインとかもしたかったし、何より、アウトドアとかスノボ商品の企画とか、色々アイディアがあったし作りたかった。アウトドアの商品ってカッコだけだと死に直結するので、削ぎ落とされた機能美の塊みたいなもので思想がすごいんです。だからデザインとプロダクトがアイディア次第で高次元で融合できるんじゃないかなって感じてて。当時どっちかに振ってるプロダクトはもちろんあったけど、どちらも完璧に満たしてるものは、まだ少なかったんですよね。だから本場のアメリカに行って、例えばBURTONみたいな大きなスノーボードメーカーとかPatagoniaとかに入りたいとも割と本気で思ってた(夢です。実際は難しかったとは思いますけどね)
真剣に色々考えた結果、でもやはり映像を作りたいっていう情熱の方が勝ってました。映像と写真は同時にできるし、PC Loverでもあるので、当時出始めだったデジタル分野。特にコンピューターグラフィックスに引かれてたし、結局はやっぱりスパイク ジョーンズみたいになりたかったのかもですね 笑。
社会人になっても、もちろん雪山通いは減りましたがずっと続けていました。
T601に入らないかと、当時の社長(現会長)に誘われた時は、「お話は光栄ですけど、冬は雪山にめっちゃ行きたいので有給使ってOKですか?」って簡単な面接みたいな時に聞いた覚えがあります 笑。「もちろん幾らでもどうぞ」と答えてくれたのが入社の決めてだったのかも。でも本当に自由な会社だったから、冬になると有給を沢山使わせてもらってました(懐かしい話だなぁ)
そして、長々と前置きを書きましたけど、映像の仕事を選んだ時に密かに誓ったのが、いつか、雪山(自然)と自分の映像の仕事がくっつく事をやるんだってこと。そういうのが去年の冬、少し叶ったのが、この2つの仕事だったんですね。長い間、いろんなところでスノーボード好きです。バックカントリーできますって言ってきてよかったなと。
まずこちら。
こちらはバックカントリーの部分が苦労した部分です。超悪天候でして、朝一スノーシューを履いて雪山を登るんですが、カメラのレンズに雪が一瞬で積もるぐらい雪。しかも水分を多めに含む。それと格闘しながら、出演者の9割は雪山のプロアスリートに撮影のために付いていかなければいけない。ついていくどころか先回りしないと撮影はできないのです。撮れ高のこともありセカンドカメラをディレクターしながら私が回しておりまして、まずは登山で過ぎゆくパーティーを映像で押さえた後、彼らを先回りして、登ってくるところも押さえるという。。1stカメラマンと共にクタクタに。。悪天候の中、何とかベストは尽くせたかなと。スノーボード好きなら知ってるであろう、MOSSの看板ライダーと一緒にお仕事できて大変光栄でございました。最後の対談コーナーはお気に入りで、雪山好きにはたまらないバイブスが出てるかなと思います。(鳥海山はこの後コロナが流行ったので無しになってしまいました)
2つ目は、The Notrh Faceにも協力していただき、プロのスキーヤーを被写体に作った物です。この方を取材する中で生まれ育ってる場所の野沢温泉村のサスティナブルな生きた方に興味が沸きました。その特徴的なスキー文化を軸にした村のあり方を、1人の世界に出て戦ってきたスキーヤーの視線越しに世の中に紹介することによって多角的な価値観を描けるのではないかと考えたのです。
この映像の雪山的視点で観たハイライトは、なんと言ってもラストカット。午前1時に起きて(起きるって表現して良い時間なのか)、午前2時から雪山登山開始。6時半に登頂して日の出を撮影して帰るプランでしたが、あいにく風が出てガスって日の出は叶わず。しかし逆にベタではない幻想的なシーンが撮れました。
山の下まで撮影セッションをしながら滑り下山したのは10時前。8時間山の中にいて、次はスキー場に移動して夕方までスキーシーン撮影という、タフですが雪山漬けの楽しい1日でした。プロのスキーヤー、山岳ガイドチームで登ったので、みんなペースがめちゃ速い 汗。あまりのことにちょっと焦りましたが、深夜のブナの林で見た美しい満月。真っ暗な林を駆け抜ける遠吠のような風の音。一生忘れることができません。普通ではできない経験をさせてもらいました。
好きなことを好きだって言い続けて、続けてきてよかったなと、改めて思い出しました。
ある意味特殊撮影の分野なので、雪山の中のシーンはその道のディレクターが受けるところですが、そうするとドキュメントシーンは薄くなる可能性があります。そういう点で、私にオファーいただいたのかなと。
今季は、コロナの状況なので1回も雪山には行けてないし、行けそうもないですが、来年はまた雪山の撮影に行けるようになってれば幸せだなぁと思います。
全世界の人々が我慢を強いられてる年ですが、こんな時にこそ、仕事でも趣味でも、目標を立てて進んでいきたいですね。
最後に余談ですが、この文章書きながら、昔、一度T601のメンバーでスキー場に行ったことがあるのを思い出しました。なんだかめちゃくちゃ楽しかったな。
もしコロナが収まったら、そんな旅をもう一度企画してみることも、密かな野望としてメモしておこう。
好きなことは、なんでも続けて置くと良いことがあるよって信じてるという話でした。終わり